もっと人間の肌に近いところというか、さわれる部分というか、そういう仕事をしたくて、大分に戻って店舗設計の会社に入りました。独立したのは平成9年のことです。
最初は大分市内に事務所を持っていたのですが、今はここ(別府市内)を拠点にしています。仕事は店舗のデザインが多いです。
仕事の流儀は人それぞれでしょうが、私の場合は、デザインの基礎になる部分を重視します。お店であれば、客と従業員の動線をよく検討して決めた上で、デザインの展開をはかります。
はじめから何通りものプランを立てたり、途中でクライアントの要求を言われるままにハイハイと取り入れていくことは好きではないんです。本質的なところが曖昧になったり、ぶれてしまったりするからですね。
UD研究会としては、次はやはりモノ作りに挑戦したい、というのが私の気持ちです。以前、研究会活動の一つとして若竹さん(研究会員)の工房でUD食器の試作をしてみたことがあります。個人的には椅子、座椅子に関するアイデアがあるので、それを実現させてみたいんです。
今年は独立して、事務所を構えて10年目になります。
UDマーケットでも痛感しましたが、雑誌などで取り上げられている優れたデザイン製品は、なかなか地方では手に入りませんよね。展示しているお店もなくて。ないから自分で作りたいんです。並べっぱなしじゃなくて、毎月テーマを決めて特集を組んだりとか。まだ何も具体化しているわけじゃなくて、夢なんですけどね。(笑)
10年経って、おかげさまで仕事はおおむね順調ですけど、やっぱり夢は持ち続けたいじゃありませんか。
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