『未来の日本を支える子どもたちが、地球について、環境問題について、そして様々な社会問題について世界中で一番意識的で あって欲しい』。そう願い、2004年度、九州大学ユーザサイエンス機構「子どもプロジェクト」では、地球の抱える様々な問題を”World Processor”という表現で、インターフェイスを製作し表現するアーティスト、インゴ・ギュンター(ingo Gunther)氏とディスカッション、共同研究を重ね、108個の地球儀を制作依頼しました。
 地上・宇宙、科学・社会ほか多方面から集めたデータがしめす今日の地球が抱える諸問題をイルミネーションの地球儀上で提示した作品「ワールド・プロセッサー」。
 今回の「OITA DESIGN POWER 2006」では108個の内の54個を展示しました。



 当初会場を黒幕で覆い、作者の意図として暗闇の中に展示する予定でしたが、三方にガラス面のあるアートホールの特性を生かし、あえて夕方から夜にかけての展示にしました。時間の経過とともに光と闇の変化に表情を変える地球儀が次第にガラスに投影され、幻想的な世界に導く様は多くの人に感銘をあたえたようです。一つひとつの地球儀を観賞したした後、窓際におかれた椅子に座り、長時間じっくりと眺めている来場者を多く見かけました。会場に訪れた年齢層も広範囲にわたり、親子連れ、若いカップル、高齢者など様々でした。親子連れの中には子どもさんの質問にお父さんが答えている微笑ましい姿、カップルにはお互いに話し合う姿などそれぞれの楽しみ方で作品を観賞していました。ともすれば難解な現代美術の作品ですが、今回の展覧会に関しては一般の方々にも充分理解し、興味を持って見ていただけたのではないかと思います。




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