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OITA DESIGN POWER 2005
坂本昌久氏・波多野義孝氏の作品展及びセミナー
小学生を対象にしたワークショップ開催

波多野義孝&坂本昌久デザイン展

今回の展覧会のメイン事業である「波多野義孝氏と坂本昌久氏」お二人のこれまでの作品を一同に集めた展覧会は、アートプラザのアートホールを会場に開催しました。

 

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坂本氏はこれまでの二科会デザイン部での旺盛な制作意欲に氏のデザインに対する情熱が表れています。手描きで描かれた、その緻密な描写力は今日のデジタル万能時代に圧倒的な存在感を見せてくれます。波多野氏はポスターやパンフレットのデザイン以外にも数々のマーク、ロゴタイプを今でも数多く目にすることができます。

湯布院のパンフレットが宮内庁より納品の要請があったことは有名な話です。他にも全国ブランドとなった「いいちこ」のロゴタイプ、一升瓶のラベルはいまだに氏のデザインです。これら両氏がこれまでに制作した膨大な作品の中から厳選したポスターやパッケージなどを展示するものです。

その大半が手作業によって制作されたものであり、そこから伝わってくる圧倒的な力はCG(コンピュータ・グラフィック)全盛時代の今まさに圧巻です。特に若い世代、とりわけ学生にとってはとてつもなく面倒な作業を積み重ねてきたことが新鮮でもあり、刺激的であるに違いありません。

 

波多野氏は「九州グラフィックデザイン展」に出品された作品を中心にB1を30点余り。いいちこ、白波などのラベル、湯布院のパンフレット、トキハの包装紙、カレンダー、パッケージなど印刷物として世に出た作品も多数展示された。坂本氏は二科展に出品されたB1作品が30点。これらの制作に使用されたエアブラシ、コンプレッサー、筆、絵具などの他に二科展で受賞された楯なども展示されました。

 

大分のデザイン界を引っ張ってこられたお二人の作品は、デジタル全盛の現代にあって、アナログの力強さと繊細さで、圧倒的な手描きの迫力を感じさせ、訪れた人々に強い印象を残しました。

 

 

 

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坂本昌久 masahisa sakamoto

 

1914年大阪市生まれ

二科会デザイン部会員 大阪信濃橋洋画研究所 修了。

二科会会員の小出 重、黒田重太郎に指導を受ける。

絵画歴10余年、大阪美術家連盟に所属

大分市に移籍後デザインに転換。

広告代理店の制作ディレクターを経て 制作プロダクション(有)デザインマップ設立。

 

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受賞歴

二科会デザイン部 第46回より出品

特選 2回

会友推挙

会友賞

会員推挙

会員賞 3回

10数年地区、中央委員などをつとめる。

 

 

 

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波多野義孝 yositaka hatano

 

1929年広島県呉市生まれ

大分県宣伝美術会結成

 

会長就任 はたのデザイン創設

二科展デザイン部 受賞

労美展審査委員

県芸術文化振興会議発足 理事

九州グラフィックデザイン展審査委員

日本グラフィックデザイナー協会結成

全国理事 県在住作家個展シリーズ選考委員

県一村一品商品開発アドバイザー委嘱

 

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主な作品

1951年 RKB毎日放送の社章作成以来、テレビ大分社章

ゆふいんパンフレット (全国コンクール一席)

大分ガスカレンダー (西日本カレンダーコンクール金賞)

トキハひまわりの包装紙

焼酎いいちこのラベル

焼酎白波のラベル

阿波おどりシンボルマーク

肥後夢街道シンボルマーク

秋田県 海の日シンボルマーク

愛媛県 観光キャッチフレーズ

ほか採用作品300余点

 

 

波多野義孝&坂本昌久デザインセミナー

セミナーでは両氏に加え、当時と今の大分のグラフィックデザインを知る池辺修二氏を司会進行役に、グラフィックデザインに対する考え方や逸話、今のデザインに関する意見などを述べてもらいます。 学生~一般までの参加者とのディスカッションも行います。

 

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                                     坂本昌久氏                                                             波多野義孝氏


 

5月21日の表彰式の後、「波多野義孝&坂本昌久氏セミナー」が開催されました。波多野義孝氏、坂本昌久氏のお二人の生い立ちからデザイン観まで、池辺修二氏の司会で、間にプロジェクターで映した作品を挟みながら、多くの貴重な体験談やご意見を聞くことができました。満席となった会場には若い参加者が多く見られ、お二人のデザインに対する情熱を感じていただけたのではないかと思います。

 

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小学生を対象にしたワークショップ開催

3月10日に明野北小学校でワークショップを実施しました。指導に当たった会員9名それぞれの方法で午前、午後それぞれ2時間に4年生、5年生を指導した。デザインの楽しさを感じてもらいたいと、予め用意した○△□それぞれをプリントした3種類の“うちわ”を題材に、○△□から発想して自分オリジナルのうちわを完成してもらいました。これは子どもたちだけでなく、我々にも楽しく貴重な時間となりました。結果、子どもたちの自由な発想で完成した作品は560点あまりにもなり。会期中に楽しいディスプレイとともに展示されました。

 

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小学生の無垢なエネルギーを感じさせる楽しい展示となりました。指導に当たった我々も得るものが大きかったが、子どもたちからもワークショップ終了後の「楽しかった!」の素直な声が聞け、デザインの楽しさを感じてもらえたと思います。

 

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ワークショップ成果展示